中性脂肪の検査値が
高くなる原因のまとめ
中性脂肪の数値が高い状態は、あなたの体がエネルギーを使いきれていないか、上手く保管することができなくなっている状態を示しています。そんなあなたに向けて、考えられる原因をいくつかご紹介します。これらの原因が重なっている場合も考えられますので最後まで見ていってください。
最後の食事から十分な時間が経っていない
検査前の最後の食事から十分な時間が経っていないと中性脂肪の値が下がりきらないことがあります(1)。また、動物性の脂肪やサラダ油などを大量に摂ると、小腸での消化吸収を助ける消化酵素をたくさん必要とするため、時間がかかることもあります(2)。
肝臓が中性脂肪を作って
血液中にどんどん流している
血液中を流れる中性脂肪には主に2つの供給源があります。1つは小腸で、食べた物に含まれる脂肪が消化吸収されて中性脂肪になります。もう1つは肝臓で、脂肪酸とグリセロールから新たに中性脂肪が作られます。肝臓は私たちが寝ている間も中性脂肪を作って血液中に流しています。肝臓からの中性脂肪の供給が各細胞の需要を上回ると、中性脂肪の値が高くなります(3)。肝臓から中性脂肪を供給する働きはインスリンという血糖を抑えるホルモンによって促進されます。
脂肪細胞が中性脂肪を
すんなり受け取らない
食事由来のエネルギーが消費エネルギーを上回ると、余った分は皮下脂肪や内臓脂肪といった脂肪細胞に溜まります。その蓄積量が増えてくると、脂肪細胞はすんなりとは中性脂肪を受け取ってくれなくなります。受け取ってくれない中性脂肪の一部が血液中に残ると、検査値が上がります。先ほどの肝臓からの中性脂肪の供給量が増える現象と同時に起こる場合がよくあります(3) 。受け取ってくれない原因の1つに、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性という状態が関係しています。
他の病気の影響
甲状腺機能低下症、慢性腎臓病(CKD)、ネフローゼ症候群などの診断を受けている人では、そちらの病気の影響で中性脂肪の値が高くなることがあります。そちらの病気を治療することで下がる場合もあるので、気になる方は医師に相談してみてください。
飲んでいる薬の影響
定期的に服用している薬の影響でも中性脂肪の値が上がることがあります。例えば、ステロイドや経口避妊薬(ホルモン治療剤を含む)、降圧薬の一部にはそういった影響を及ぼすものもあります。ただし、「薬の影響で中性脂肪の値が高いのかも」と思っても、薬をご自身の判断で中断せず、医師・薬剤師に相談してください。
遺伝
遺伝的な原因で、検査値が高くなることがあります。ご自身のご両親、兄弟姉妹、子供に中性脂肪値がずっと高い人がいらっしゃったら遺伝的な高中性脂肪血症かもしれません。タイプは様々あるようですが、総じて100人に1人くらいの割合と言われています(4)。