「中性脂肪だけ高い」
を放置しないで

「中性脂肪だけ高い」<br>を放置しないで

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中性脂肪が高いだけ
でも安心はできない

血液検査の中で中性脂肪が150mg/dL以上だった場合、検査値が高いことを示す「H」や「*」が併記されていると思います。でも中性脂肪だけが高くてコレステロールなどは正常なら、判定は「B:軽度異常」か「C:要経過観察・生活改善」でしょう。おまけに医師からも、病気だと言われることも少ないでしょう。

それもそのはず、中性脂肪が高くても何も起きず天寿をまっとうする場合も多々あります。だから、中性脂肪が高いだけなら大丈夫!は「半分」正解と言えるかもしれません。では、残りの半分は?といえば不正解。つまりリスクを多分に含んでいる場合があります。

これまでは脂質の中ではLDLコレステロールが直接的に動脈硬化を発症させ進展させる「悪玉」であり、その管理が重要と言われてきました。しかし、LDLコレステロールだけではなく、中性脂肪の管理も重要であることがわかってきたのです。

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中性脂肪が高い状態を放置すると
糖尿病になる可能性も

中性脂肪が高い状態がもたらす影響の1つに、糖尿病になるリスクを高める、があります。

糖尿病を発症しやすい条件には「肥満」「運動不足」「内臓脂肪蓄積」「高血圧」「高脂血症」などが挙げられます。これらの条件は中性脂肪が高い人によく見られる生活習慣や体型(内臓脂肪型肥満:リンゴ肥満)とほぼ同じです(1,2)

糖尿病は血液中の糖(血糖)が増える病気です。血糖値を高いまま放置すると動脈硬化が進展し、将来的に心臓病や失明、腎不全、足の切断といったより重い病気(糖尿病の慢性合併症)を併発することがあります。

中性脂肪が高い生活習慣を続けると後からLDLコレステロールや肝機能検査値、血圧なども上がる場合があるようです(3)。つまり、中性脂肪が高い状態を放置すると脂質異常症や高血圧症を合併するリスクがあると言えます。

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中性脂肪が高いだけのうちに
見直してみませんか

夜遅くまで仕事をされて、飲み会も多く、ご自身の体調を顧みる機会が少ない方、いらっしゃいませんか。
高い中性脂肪に加えて、運動不足である、お腹周りにぜい肉がついている方、いらっしゃいませんか。

中性脂肪が高い状態を放置しておくと、さまざまな病気になる可能性があります。中性脂肪だけが高い今のうちに、生活習慣を見直してみませんか。

厚生労働省の国民健康・栄養調査報告によれば、2009年からの10年間で「糖尿病が強く疑われる者」の20歳以上の男性割合は15.9%から19.7%へ、女性割合は9.4%から10.8%へ少しずつですが増えています(4)

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