中性脂肪と脂肪酸の違いは? 脂肪酸は、中性脂肪の部品

中性脂肪と脂肪酸の違いは? 脂肪酸は、中性脂肪の部品

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数ある脂肪酸はどれも
中性脂肪の構成成分

お肉やバター、チーズなどに含まれる飽和脂肪酸、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸、摂り過ぎに注意と言われるトランス脂肪酸、内臓脂肪を溜めないと注目されている中鎖脂肪酸など。よく耳にする数ある脂肪酸は、だいたいどれもが中性脂肪の構成成分、いわゆる部品です。脂肪酸は脂肪(脂質)を構成する分子で、体の細胞をつくるほか、エネルギー源として使われます(1)

食事で摂った脂肪酸の大半は小腸で吸収される際に、中性脂肪に部品として組み込まれ、肝臓を通って体中に配られていきます。配られた先で貯蔵される時は中性脂肪として溜め込まれます。

逆にエネルギーとして使われる時は配られた先の細胞の中で中性脂肪が脂肪酸ともう一つの部品であるグリセロールに分解されます。分解された2つの部品は細胞内のエネルギー「生産」工場と言われる細胞内小器官ミトコンドリアに移動して大量のエネルギーを放出します。

脂肪酸の中身は中性脂肪に
ほぼ影響しない

青魚に含まれるEPAやDHAを除き、脂肪酸を積極的に摂って中性脂肪の値が下がるという十分な科学的情報は確認できていません。

LDLコレステロール値を低下させることで知られるオレイン酸は、オリーブオイルやひまわり油、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツに含まれる一価不飽和脂肪酸です(2)。食品から摂るほかに、体内でも飽和脂肪酸から合成することができます。血液中のオレイン酸の割合が高い人は、中性脂肪の値も高いという研究報告があるので、オリーブオイルは無理に摂らなくても良いと言えるでしょう。

EPAと DHAは多価不飽和脂肪酸のn-3系不飽和脂肪酸として、血液中の中性脂肪の値を低下させることが確認できています。EPA、DHA、エゴマ油に含まれるα-リノレン酸といったn-3系不飽和脂肪酸は、体内で合成されない必須脂肪酸のため、食事から摂ってください。

脂肪の摂り過ぎは
コレステロール値に影響する

中性脂肪の値を下げるには「脂」を控えると良いと思っている方が多いようです。しかし、脂肪よりもご飯やパンといった炭水化物に含まれる糖質のほうが、中性脂肪の値の上昇に与える影響が大きいことがわかっています。

DHAやEPAといった多価不飽和脂肪酸には中性脂肪の値を下げる効果が期待できます。とはいえ、脂肪の摂り過ぎは禁物。コレステロール値を上げてしまいます(3)。脂肪(脂質)の総摂取エネルギー量に占める割合(脂肪エネルギー比率)は20%以上30%未満が目標と言われていますが、男性の3人に1人が30%以上のようです(4)。糖質も脂肪も、取り過ぎには十分注意しましょう。

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