中性脂肪高値は
“隠れた悪玉”の指標?
HDLコレステロールは善玉と呼ばれ、LDLコレステロールは悪玉と呼ばれています。では中性脂肪は?中性脂肪の数値が高い状態は、LDLコレステロール以外の隠れた悪玉がいることを知らせてくれています。
中性脂肪高値は
“隠れた悪玉”の指標
検査値の中性脂肪は、LDLコレステロールとは別の「隠れた悪玉」を検出するのにも役立ちます。
わたしたちの血液中には、悪玉と言われるLDLや善玉と言われるHDL以外にも数種類の玉が流れています。隠れた悪玉はその1つで、医師は「レムナント」と呼んでいます(1)。
レムナントは通常ほとんど検出されませんが、生活習慣が乱れたりお酒が増えたりするとレムナントの数も増えて動脈硬化の原因になります。
レムナントは、中性脂肪をたくさん抱えているので中性脂肪の値が高いとその存在が疑われます。
LDLコレステロールの値が高くなくても中性脂肪の値が150 mg/dLよりも高い場合にはこのレムナントがいるかもしれません(2)。
もう一つの“隠れた悪玉”の指標
non HDLコレステロール
『レムナントが隠れているかもしれないけど、中性脂肪の値が高いだけでは医師に相談しにくい』という方のためにもう一つの指標non HDLコレステロールをご紹介します。non HDLコレステロールは総コレステロールの値からHDLコレステロールの値を差し引いて求めることができます。基準値は170mg/dLです(3)。
[non HDLコレステロールの値] = [総コレステロールの値] – [HDLコレステロールの値]
そもそも総コレステロールの値とは、血液中を流れる悪玉や善玉、レムナントなどに含まれるコレステロールを全て足し合わせたものです。そのコレステロールの総量から善玉HDLに含まれるコレステロールの量を差し引いたものがnon HDLコレステロールの値です。
つまり、LDLコレステロールの値が高くなくてもnon HDLコレステロールの値が高ければ、レムナントが隠れている可能性があります。
中性脂肪の値もnon HDLコレステロールの値も高い方は一度医師にご相談されてはいかがでしょうか。