中性脂肪が上がる意外な食習慣と対策
食事に気をつけているのに中性脂肪の数値が下がらない。食べ過ぎや飲み過ぎも気をつけているのに——そんな方はこれからご紹介するポイントも取り入れみてはいかがでしょうか。
菓子パンだけ、おにぎりだけの食事にたんぱく質を足す
生活習慣病の発症や重症化を防ぐために、体の中でエネルギーを産生する三大栄養素「たんぱく質」と「脂質」と「炭水化物(糖質)」の摂取量の目安が設定されています(1)。年齢や活動量にもよりますが、たんぱく質20%、脂質20%、炭水化物(アルコールも含む)60%が大体の目安です。この観点からすると、菓子パンやおにぎりには脂質と炭水化物は含まれていますが、たんぱく質が足りないことが多いです。
また、たんぱく質が多い食事は食欲抑制ホルモンの分泌が促され、満腹感を生み、食欲を減らすという研究結果もあります(2)。
菓子パンやおにぎりと一緒に、たんぱく質が多いサラダチキンなどを買い足してみてはいかがでしょうか。
ソースやケチャップの替わりにコショーを試してみる
中性脂肪の上昇に与える影響が大きいのは炭水化物です。実はソースやケチャップの約4分の1は炭水化物です(3)。揚げものやお好み焼きにソースを、オムライスにケチャップをかけるまえに、ソースやケチャップのラベルにある栄養成分表示を確認しましょう。もし近くにコショーがあればそちらもお試しください。
朝食を抜かない
朝食を食べない人は食べる習慣のある人より中性脂肪が高い傾向にあることがいくつかの研究で示されています(4,5)。その1つをご紹介します。中国広東省の労働者7,674人に対する検査データとアンケートから脂質異常症に影響する生活習慣を調べたものです(4)。年齢や性別(男性の方が脂質異常症の割合が高い)、BMI、喫煙習慣、睡眠時間(5時間未満よりも5~7時間の方が割合が低い)などに加えて、朝食を食べる習慣が全くない人よりも週1~3回以上食べる人の方が脂質異常症の割合が低いという結果でした。
また、同じ量の食事でも朝食べるか夜食べるかによって脂肪の溜まり方が変わります。その理由は、食事誘発性熱産生(DIT)の違いです。食事から体内に栄養が吸収・分解される時に、その一部が熱となって消費されます。これをDITといいます。DITは、夕食や夜食に比べて朝食のほうが高く、深夜の夜食はこの機能が働かないため脂肪として貯まりやすいことがわかっています(6)。
こうしたことを踏まえると、夕食や夜食の中で炭水化物や脂質が多い物を少し朝食に回すと同じ量でも中性脂肪が上がりにくくなると考えられます。ちなみに、夕食1回分を19時と22時〜24時の2回に分けて食べることで中性脂肪が改善した報告もあります(7)。夕食が遅い時間になる方は夜食の食べ過ぎに注意しながらこちらもお試しください。
体に良い油のエネルギーも計算する
オメガ3脂肪酸を多く含むエゴマ油やアマニ油。体に良いことは確かですが、やはり摂り過ぎは禁物です。総カロリーを超えたぶんは良い油も脂肪になってしまいます。良い油もドレッシングの代わりに使うなど何かの代替として使うことを意識してください。