中性脂肪を下げたい人の
お酒、糖質、運動の目安
中性脂肪を下げるには、お酒、糖質、運動に気をつけることが大切です。それぞれの目安をご紹介します。
アルコールは1日25g以内
血液中に含まれる脂質を血中脂質といい、主なものはコレステロールと中性脂肪です。日本動脈硬化学会のガイドラインでは、脂質の検査値が高くてお酒をたくさん飲まれる方には1日あたりのアルコール量を25g以内に抑えることが推奨されています(1)。
ここでは1週間単位での目安量をお伝えします。
外で飲む場合は、中ジョッキ500mL、小ジョッキまたはピルスナーグラス350mLと覚えておけば飲み過ぎは防げるでしょう。
アルコール〇%をグラムに換算するには0.8をかけてください。
例えばアルコール5%のビールなら5%×0.8=4となり、100mL中に4gのアルコールが含まれている計算になります。
350mL缶に含まれるアルコールは 4g×350÷100=14g
500mL缶に含まれるアルコールは 5g×500÷100=20g
1日25g以内に抑えたい場合はビールなら1日500mL缶1本といったところでしょうか。
もう少し減らせるという方は、休肝日を設けてみてください。休肝日を設けてアルコールの総量を減らすことは、肝機能検査値(γ-GTP)だけでなく、中性脂肪にも良いそうです(2)。
糖質を少し脂質やタンパク質に置き換える
糖質とは食物繊維以外の炭水化物のことで、中性脂肪はこの糖質の摂り過ぎで上がります。
炭水化物=糖質+食物繊維
日本人の食事摂取基準2020年版では、総エネルギー摂取量に対する炭水化物の割合を50~65%と設定しています(3)。
総エネルギー摂取量が適正なのに中性脂肪が高い方は、糖質の割合が高い可能性があります。糖質を少しだけ脂質やタンパク質に置き換えてみてはいかがでしょう。
実際、総エネルギー摂取量を一定に保ちながら、5%のエネルギーに相当する炭水化物を脂肪酸(脂質)に置き替えると、中性脂肪が下がったという報告もあります(3)。
ご飯や麺を大盛にせず、小鉢やトッピングを1つ追加するイメージです。
総エネルギー摂取量が適正かどうか知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
今の生活に10分運動をプラス
お酒も糖質も減らしたのに中性脂肪が下がらない。もしくは、もっと下げたいという方には運動がお勧めです。
中強度の有酸素運動(最大心拍数の55%〜69%程度)を週150分以上行うことで、中性脂肪が改善されたという報告があります(4)。
いきなり1日30分も運動を増やすのは大変、という方は今の生活に1日10分だけ運動を足すことから始めてみてはいかがでしょうか(5)。有酸素運動に限らず、レジスタンス運動(筋トレ)でも構いません。
10分の運動時間も取れないという方は毎日の歩数だけでもチェックしてみましょう。1日の歩数が多い程、中性脂肪は低い傾向にあるそうです。
食事への注意とともに運動習慣による身体活動を増やすことで、中性脂肪だけでなく生活習慣全体への改善も期待できます。