運動で減らない中性脂肪
運動強度は足りている?
定期的に運動しているのに、中性脂肪の数値が期待したほど減らない。そんな時は、運動強度と量を振り返ってみませんか。
効果を上げる運動の強度
有酸素運動はダイエットだけでなく中性脂肪の値を減らすためにも有効です。その有酸素運動の中にも効果を上げるのにちょうどよい強度があるそうです。
それは『最大酸素摂取量の50〜60%の心拍数』くらいの運動です。
最大酸素摂取量は、専門機器でないと測定できませんが、心拍数から運動の強度を割り出せるカルボーネン法という式があります(1)。
(220-自分の年齢-安静時心拍数/分)×運動強度(%)+安静時心拍数/分
例えば、55歳で安静時心拍数が60の方ならちょうどよい強度は
(220 – 55歳 – 60拍/分) × (50~60%) + 60拍/分 = 112.5 ~ 123拍/分
くらいの心拍数になる運動となります。スマートウォッチなどを活用すると簡単に測れます。ただ、心拍数が120くらいになる運動のきつさは個人差がとても大きいので、ご自身でいろいろ試してみてください。
不動産情報などにある『駅から徒歩〇分』のペースで歩くことを1つの目安とするとよいかもしれません。
中性脂肪が下がる運動の量
運動の強度が十分でも量が少ないとやはり中性脂肪の値を下げる効果は期待できません。
40歳以上の健康成人を対象にして『最大酸素摂取量の55〜69%の心拍数』の運動を行った際の脂質値を検証した研究によると、週150分以上の運動を続けることで、中性脂肪が平均で13.7mg/dL下がったそうです(2)。
運動習慣が無い方は1日に10分から始めるのはいかがでしょうか(3)。
運動の時以外もこまめに動く
もし、運動している時間以外はずっと座りっぱなしでしたら、立っている時間を増やしてみてはいかがでしょうか。実際、こまめに立ち上がる生活習慣が中性脂肪の値を下げ、じっと座っている時間が長い生活ほど中性脂肪の値は上がる、という報告があります(4)。
せっかく運動した効果を少しでも無駄にしないために、運動以外の時間の生活も少し意識してみてください。